秋の代表的な魚「さんま」は、脂がのって美味しいですよね!
さんまの塩焼きは、内臓を取る派と取らない派に大きく分かれますが、栄養面からみると「さんまの内臓は栄養満点」なので食べることをおススメします。
多くの魚の内臓は食用に向かないので取り除きますが「さんまの内臓に消化物がほとんど入っていない」からだと言われているんですよ。
この記事では、
・さんまの内臓を取らないで食べても本当に大丈夫?
・さんまの内臓を食べたほうがいい理由
などについて紹介しますね。
内臓を取る派の多くは、さんまの内臓には苦味があるのでそれが苦手…という意見がありますが、ちょっと工夫をして食べてみると、美味しく食べられるかもしれませんよ。
さんまの焼き方で内臓取らないでいい理由とは?
サンマは秋を代表する魚ですが
漁獲量の減少により今では高級魚ですね
丸ごとたべると内蔵の苦みがクセになりますサンマには胃や腸がないため
サンマが食べた物は30分程度で
消化し排出します
そのためサンマは内臓も
食べることができるんですまさしく一物全体ですね#さんま #秋刀魚 pic.twitter.com/w7rISIhPEt
— 山崎薬局 (@yamazakipharm) September 28, 2023
さんまの内臓は、胃がなくて腸が短いので、ほかの魚と比べると、食べたエサは長く留まらずにすぐ消化されます。
胃がなくて食べ物を他の魚より早く消化できる魚のことを「無胃魚」と呼びます。
この体の構造によって、内臓はきれいな状態を保っていると言われているんですよ。
なので、新鮮なさんまはしっかりと火を通せば、生臭さをそれほど感じないで、内臓を食べることができるんです。
更に、さんまの内臓は、
① 青魚特有の「DHA」「EPA」と呼ばれるドコサヘキサエン酸やカルシウム、鉄分、ビタミン類など多くの栄養素が含まれている。
② 内臓を取らないで焼いた方が、脂が飛ばずにジューシーに焼けて美味しいというメリットがあるんですよ。
内臓の一つ胆のうの胆汁に苦味があるので、取る派と取らない派で大きく分かれます。
内臓の苦味を感じないように、食べやすくする工夫をすると、苦味が苦手な人でも食べることができるかもしれません。
多くの魚の内臓は、胃・腸・肝臓・胆のう・精巣や卵巣などがあります。
また、多くの魚はエサを食べてから消化するまでに時間がかかって、胃の中には消化中のエサが残っているため、生臭さが残り腐りやすくなっています。更に内臓から劣化していくので、食用には向かないんですね。
さんまの内臓を取らないで食べても本当に大丈夫?
焼いたさんまの内臓は、栄養価が高いので食べることが可能です。
ただし、内臓から劣化していくので、新鮮なものを選んで食べるのが大切ですよ。
生食は一般的ではなく、雑菌が存在していたり、寄生虫が見つかることもあるので、必ず火を通して食べましょうね。
内臓の栄養とは?
青魚に特有のDHA、EPAと呼ばれている「ドコサヘキサエン酸」が豊富に含まれていて、悪玉コレステロールを減らしたり、脳細胞を活発化させて頭の回転を良くする効果があります。
また、脳梗塞や心筋梗塞などの予防になる血液の流れをよくする「エイコサペンタエン酸」も含まれています。
更に内臓にはカルシウムや鉄分、ビタミンも豊富含まれていて、ビタミンAの一種「レチノール」は、しわやたるみ、目の下のクマ消しなど女性には嬉しい美容効果もあります。
さんまの内臓には、健康や美容に効果がある成分が豊富なんです。
さんまの内臓はどうして食べても大丈夫なのか?
さんまには胃がなくて、消化器官は短い1本の腸だけなので、短時間でエサを消化することができます。
他の魚は消化するまで通常24時間かかり、内臓にはエサが残っているので、生臭くなっているんです。
さんまにも寄生虫はいますが、取り除いたり、加熱調理で死滅するので身や内臓を食べても大丈夫です。
栄養素を見ると、食べないともったいないと思いますが、どうしてもあの苦みが…という気持ちも残る人もいますよね。
さんまの内臓の苦みが気にならない食べ方もあるのでぜひ一度試してみてください。
さんまの内臓を取る人の理由は?
【寄生虫のため閲覧注意?】さんまの内臓に寄生虫おるの初めて見た
※十分に焼いてるので死んでます pic.twitter.com/O8YUQZHFboスポンサーリンク— Σ(∵) (@2121hunter) September 19, 2014
さんまの内臓の苦味が好きな人は多く、「食べられない」「食べたくない」という人の気持ちが理解できないかもしれません。苦味以外での苦手な理由を紹介します。
内臓が気持ち悪いから
見た目の気持ち悪さから「食べられない」「取るもの」と思っている人も多いです。
栄養価が高く食べられることを知っても、見た目で拒絶してしまうと、口に入れることって難しいですよね。
赤いミミズのような虫は何?
さんまの内臓に、赤いミミズのような虫を見ることがあります。「ラジノリンクス」と言って、食べても害はなく人間に寄生することはありません。
万が一食べてしまったとしても害はないそうですが、見つけたら取り除いて内臓部分を食べることができます。
さんまに黒くて長いものがくっついていることがありますが、これは「サンマヒジキムシ」という寄生虫です。
さんまの体表にくっついて養分を吸って寄生している寄生虫で、人体に害はありません。取り除いてさんまを食べることができますよ。
魚の寄生虫で有名なのは、白い糸のような「アニサキス」ですね。
さんまにもアニサキスが寄生することがあります。
寄生している生さんまを食べたら、激しい腹痛や嘔吐などを引き起こす危険性があります。
一度でも寄生虫を発見してしまったら、気持ち悪さに食べることができなくなりそうですが、寄生虫は火を通すと死滅します。
また、見つけた寄生虫を取り除いて加熱することで、さんま自体は美味しく食べることができます。
60℃以上の熱で煮たり焼いたりすれば死滅するので、焼き魚なら安心して食べることができますよ。
内臓から鱗が出てくる
まれに内臓から鱗が出てくることがあります。
さんまの鱗はとてもはがれやすいので水揚げするときに、さんま通しがぶつかり合って鱗が剥がれてはがれていきます。
その鱗を飲み込んでしまうことが原因なんです。万が一食べてしまったとしても害はありませんが、食感が変わるので見つけたら取り除きましょう。
内臓の苦みが気にならない食べ方!
高い栄養があることを知っても、どうにかして内臓の苦味を和らげないと食べられません。
苦味をできるだけ感じないようにするには、大根おろしとさんまの身や内臓を混ぜて食べてみてください。大根おろしがさんまに添えられているのは定番の食材ですね。
しょうゆをかけたり、すだちやカボスなどの柑橘類を絞って食べると、意外と苦味が気にならないかもしれませんよ。
新鮮なサンマの見分け方
旬の時期の生さんまには、鮮度の差はあまりないと言われています。さんまの旬の時期、最も脂がのっている時期は9月~10月の1ヶ月と言われていますよ。
さんまの旬と言えば、やっぱり秋?
例年、さんまの水揚げは、北海道道東から三陸沖にかけて8月末から始まります。
北海道や東北地方では、旬が早くくるんですね。さんまの脂乗りがよくてサイズも大きいので、生食用に向いています。
さんま漁は、徐々に南下してきて、10月中旬から11月中旬には静岡県の伊豆半島周辺で水揚げされます。
この時期になると、脂が減ってきてサイズも小さくなってきます。干物などの加工品に適しています。
新鮮なサンマの見分け方を教えて!
さんまの下あご部分を「くちばし」といいますが、そこが鮮やかな黄色をしているものが新鮮だと言われています。鮮度が落ちてくると茶色っぽく変色していきますよ。
また、さんまの尻尾部分を持って頭を上に向けてピンと立てば、鮮度が良いさんまなんだそうです。
パック売りのさんまだと試すことはできませんが、さんまが手に取れるような売り方をしていたら、ぜひ試してみてください。
購入する前なので、乱暴に扱わないようにしましょうね。
他に鮮度の良いポイントは、
・お腹に張りがあって太っている
・背中側が青黒く光っている
・お腹側が白銀色に光っている
・目が澄んでいる
などのチェックポイントがあります。
鮮度が落ちてくると目が濁ってきますが、皮が傷ついていたり、目が充血しているさんまも販売されています。
これらは鮮度が悪いわけではなく、水揚げするときに皮が傷ついたり、圧迫されて目が充血しているんだそうです。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
まとめ
さんまの内臓の苦味は「大人の味」で、成長すれば食べられるようになると思っていた人は多いはずです。
大人になっても苦味が苦手でも、こんなに栄養がつまっているのかと思ったら、食べないでいるのはなんかもったいないですね。
青魚に多い栄養素「DHA」「EPA」などはよく聞きますが、レチノールなど美容にもいい成分を含んでいるのは新しい発見でした。
10月頃になると、水揚げ量も増えるので価格も安定してきます。
脂ののったさんまを今年も美味しく、内臓を食べられなかった人は、まず一口だけ食べてみてはいかがですか?