動物園などでダチョウを見ると、大きな体と目を持っていて目を引きますが、頭悪いとよく言われます。
いろんなエピソードを聞くと、頭が悪いと思わせる内容が確かに多いですが、一部分はダチョウ特有の習性が関係しているようですよ。
笑わせるエピソードもたくさんありますが、ダチョウの生存確率を高める行為が関係していたり、実はすごいところもあるんです。
この記事では、
・ダチョウの優れているところ
・ダチョウがアホで鈍感、頭が悪いのはなぜ?
・ダチョウのアホエピソード
などについて紹介しますね。
馬鹿だな~と思わせるエピソードが多いダチョウが、古くから姿を変えずに今日まで生き残れた理由が、分かるかもしれませんよ。
ダチョウはアホで頭悪いのは本当?
ダチョウはアホで頭悪いと言われる理由は、ずばり「脳の小ささ」からきます。
ダチョウの目はこぼれ落ちそうな位大きな目をしているのが特徴的ですが、実は脳みそは、その目より小さくて、人間の眼球位の大きさしかないんです!
ダチョウの平均的な身長は2.4mで体重は140kgです。
大きな身体を持っているのに、脳の重さが約40gで、大きいもので鶏卵くらいの大きさです。身体のサイズと比較すると、とても小さいサイズですよね。
ダチョウの優れているところは?
ダチョウの脳が小さいから頭が悪い、だけではありません!
実は優れた能力などがあるんですよ。
ダチョウは足が速く持久力がある
ダチョウは飛ぶことはできませんが、とても速く走ることができます。そして、その速さのまま走り続ける持久力を持っていますよ。
自然界の中でチーターの次に速く、ダチョウの最高速度は時速60kmとも言われているんです。
実は、早く走るときに頭でバランスを取っていて、その速さを維持するためにバランスがとても重要です。
もしかして、このバランスをとるために脳が小さい!?と思ってしまいますよね。
ダチョウは声帯を持っていない
ダチョウは、声帯がないため、とても静かです。
オスのみ求愛行動をとるときに「ノドを鳴らす」行為をしますが、求愛行動以外では鳴かないそうですよ。
存在感たっぷりのダチョウですが、見た目とは違いとても静かな鳥なんです。
ダチョウは視力がいい
ダチョウは視力がいいと言われていて、一説では10km先の物体を認識できると言われています。
自然界で生きているダチョウは開けた場所で生活していて、天敵はライオンやヒョウです。遠くの敵を早く発見・早く逃げるなどの能力が高いのかもしれません。
ダチョウは病気で死ぬことがほぼないと言われている
ダチョウは免疫力・自然治癒力が高く、病気で死ぬことがほぼないと言われています。
傷があっても感染症にかからず、傷みにも鈍感なので、ほかの動物と比べて細胞が早く動くことで回復するらしいですよ。
この免疫力の強さから、ワクチンや薬の開発に役立っているそうです。
ダチョウがアホで鈍感、頭が悪いのはなぜ?
ダチョウの脳が小さいから頭が悪いと書きましたが、その脳も、しわがなくツルツルしているそうです。脳のしわが少ないと、表面積が小さく、ニューロン(情報の伝達と処理を行う神経細胞)の行き来があまりありません。
ニューロンの行き来が少ないと、記憶している部分から情報を引き出すことが出来なくて、「考える」ことができません。
記憶力も悪いことから、「頭が悪い」と言われているんです。脳の小ささは知力にも影響すると言われます。
エピソード① 「1羽走り出すと釣られて走り出す」
群れの中の1羽が走り出すと、周りのダチョウは意味も分からず釣られて走り出してしまうそうです。
危険を察知して、などの危機感ではなく、群れに動きがあったからそれに釣られて、という感じでしょうか…。ダチョウの生息地はアフリカのサバンナです。
もしかしたら他の動物から身を守るために、先に走り出したダチョウに倣って、万が一の危険から逃げる行為なのかも…。
と、思うとあながち「頭が悪い」行動ではないかもしれませんが、大半は釣られて目的もなく走っているんでしょうね。
エピソード②「ダチョウの死因」
ダチョウの寿命は50~60年と言われていて、とても長寿です。病気で死ぬことがほぼないと書きましたが、死因の多くは人間でいう事故です。
パニックに弱いダチョウは、何も考えずに走り出すことがあり崖から落ちたり、障害物に衝突して死ぬことが多いそうですよ。
せっかくの長寿に恵まれたのに、記憶力と思考力のなさが災いになってしまったんですね。
ダチョウはアホで頭が悪い!?アホエピソード
ダチョウは本当に頭が悪かったのね…というアホエピソードです。
ダチョウは何時も行き当たりばったりで遭難が多い
ダチョウは釣られて走り出したり、パニックになると突発的に走り出します。
誰を先頭にしているわけでもなく、群れ内のルールや走る方向性もなく、それぞれが走り出してしまって、右往左往しているそうですよ。
最悪な場合、遭難してしまうこともあるそうです。
ダチョウは群れで生活しているので、遭難する危険性を自分で作っていて、かわいそうになってきます。もしかしたら、頭の悪さから「遭難した」という考えもないかもしれませんが…。
ダチョウは記憶力が弱い
ダチョウは家族を忘れることがあるけど、忘れたことすら覚えていない、と言われています。違う家族と生活し始めても、お互いが気づかずに家族として生活を続けるそうです。
ダチョウを長年飼育していても、何年経っても覚えてもらえない、という話もあります。私達の感覚で見ると、いくら記憶力が弱くても、さすがに家族や飼育員さんは覚えられない?と疑ってしまいますよね。
ダチョウは不潔で鈍感
一般的な鳥は清潔好きと言われていて、水浴びや砂浴びなどをして、清潔さを保ちます。
ですが、ダチョウは違います!
ダチョウは自身の清潔さを気にしないようで、身体が泥だらけになろうが、フンがついたままだろうが、平気で過ごしているそうですよ。
羽が汚れても気にならないのは空を飛ばないから、かもしれませんが不愉快にならないのか気になりますよね。
また、免疫力の強さなどの良さはありますが、傷みに鈍感なのでちょっとした出血でも気にならないようで、平気に過ごしているそうです。
私達と同じ感覚で見てしまうと、ビックリするエピソードですね。
ダチョウが頭が悪いという話は家族を本当に忘れるの?
ダチョウは家族の顔を覚えられない、認識できないことからも、頭が悪いと言われています。私達人間の感覚と比べてしまうと、親や子供の顔を忘れるなんて!と、思いますよね。
でも、ダチョウの生態を知ると、私達とは違う習性があるからだと理解できそうです。
ダチョウは群れで生活しています。
その群れは、オス1匹とメス数匹の一夫多妻制です。オスは縄張りと巣を作って、群れの中の優位メスと交尾します。オスはほかのメスとも交尾しますが、群れ内のメスは、優位メスの巣に卵を産みます。
オスと優位メスが交代で卵を温めて、子孫を残します。はぐれたオスが劣位メスと交尾して、卵を産むこともあるんですよ。
自分の巣の中にほかのメスの卵があっても、気にしないで温めたり、雛だから育てる、という本能でメスは動いています。
雛が成長すると、早い段階で親元から離れて自立し、また新たな「種」を育てます。
群れの中でメス同士争うのではなく、共に「種」を育てるという、私達とは違う感覚で子孫を残しているんですね。
ダチョウには「家族」という概念はないので、家族だと認識する必要性がないのかな?と想像できます。
私達とダチョウの記憶力を比べてしまうと、とても低い記憶力だと言わざるを得ません。
ですが、私達人間とは異なる生態で生きるダチョウには、「家族」ではなく「種」を残すことが、最優先なのかもしれません。
まとめ
ダチョウは頭が悪いと言われる理由は、脳の小ささと記憶力の低さにあります。
ただ、それはダチョウが私達とは異なる環境で生き抜くための、変わった戦略だと言えます。
また、「家族」としてではなく「種」を残すことを優先したら、「家族を忘れる」という考え方もないのかもしれません。
免疫力や回復力が高いなど羨ましい点もありますが、人間の感覚で見たらやはり馬鹿な行為も多く、なんかもったいないな…と思えてしまいますよね。
今までは、大きな身体だな、大きな目だな、くらいにしか思わなかったかもしれませんが、色々知った上で見てみると今までとは違う見方をするかもしれませんよ?