文章や手紙を書いていると、同じ音でも漢字の違う言葉が出てきて、
どの漢字を使えばいいのか?
迷った経験の有る方は多いのではないでしょうか?
そんな時、考えたり、調べたりするのが面倒くさいので、
単純にひらがなを使えばいいと、いう形で済ます人もいると思います。
でも、なるべくなら正確な漢字を使いたいものですね。
昔からよく使われる言葉に、
「分かる」「解る」「判る」というのがあります。
この言葉は、音だけでなく、意味も似ている漢字なので、
使い分けに困った方は多いのではないでしょうか。
今日はこの「分かる」「解る」「判る」の意味と使い分けについて、
調べてみましたので、ご紹介したいと思います。
参考になれば幸いです!
「分かる」「判る」「解る」の使い方は?
もし、あなたが手紙や文書を書いている時に、
・「分かる」と、
・「判る」と、
・「解る」
のうち、「どの漢字を使えばいいのか分からない」
と迷った時は、悩まずに、
「分かる」を使うようにしてください。
現在は一般的に「分かる」を使っていれば全く問題ありません。
「常用漢字表」の中でも「わかる」と読む訓が掲げられているのは
「分かる」だけなので、「常用漢字表」に従って表記すれば、
「わかる」「分かる」となります。
また、放送用語などでも、「分かる」を使うことになっているそうです。
「分かる」「判る」「解る」それぞれの意味は?
「分かる」と「判る」「解る」それぞれの意味は、
1,「分かる」は、物事の事情がはっきりとする。
2,「判る」は、物事の区別がはっきりとする。
3,「解る」は、物事の意味や内容などが理解できる。
だそうですが、これでは少々分かりづらいと思いますので、
もう少し詳しく、「分かる」「判る」「解る」の意味を一つづづ
紐解いていきましょう。
「分かる」の意味は?
「分かる」は、「分」はもともとと「わける」と同じ起源を持つ言葉。
・ぼやけて不明瞭だった物事や、気持ちを、
「わかる」部分と「わからない部分」に分割したもの。
2つにわけてはっきるさせることで、
物事の本質が見え、理解しやすいようになったんですね。
この「分」という漢字には様々な意味がありますが、
「わかる」に関する意味は次のようなものがあります。
●相手の気持ちがよく分かる。
●おやじの言っていることがよく分かる。
●事情はよく分かる。
●はっきりしなかった物事や事情がよく分かるようになる。
●世の中の物事に詳しい。
●物分かりが非常によい。
などがあります。
ちなみに、「分」という漢字には多くの意味を持っていますが、
「分かる」に関する意味は次を参考にしてください。
・全体から分かれた一部分。
・全体をいくつかにわけ、独立する。
・物事の状態。
・見分ける、わかる。
このように物事を分割することから、
「わかる」ようになり、見分けることが出来るんですね。
「判る」の意味は
「判る」には、
「物事が判別され、判断しやすい」と言った意味があります。
例えば、「音楽が判る」「判る」とすることで、
その音楽が「素晴らしい曲、なのかまずまずなのか」
などの区別ができるまで、深く理解できる…。
その他、絵画などいろいろな場面でも使われていると思います。
ということから、
「判る」には次の意味があります。
●物事の判断がつき、結論がはっきりでる。
●物事の状態が判断できる。はっきりする。
●善悪の判断をする。。
「判る」は「分かる」と意味が似通っていますが、
こちらでは、人の感情、気持ちは反映されません。
また、物事が詳しいかどうかも関係なく、
今まで不明だった物事がはっきりした場合に使われます。
ちなみに、「判」という漢字には、
・物事にけじめをつける。
・物事をはっきりさせる。
・優劣や是非を明確にする。
などの意味があります。
物事に対して、「良いものか?悪いものか?」
などをはっきりさせる。
曖昧なことは止めて、全てを明らかにする意味が、
「判」の中に課されているんですね。
次に「解る」ですが、
「解る」の意味は?
「解る」という言葉には、
「物事がこれだと解るように理解される。そのものの価値が理解できる」
といった意味があります。
●物事の価値が理解できるようになる
●物事の仕組み、道理が明確になり、理解できるようになる。
●人の心が状況に応じて、理解できるようになる。
●新鮮な問題を解き明かす。
ここでいう「理解」とは、
・他人の気持ちをわかり、察すること。
・物事の意味や道理を正しくわかること。
分かるとは基本的に同じですが、例えば、
人の話をいい加減に聞いて「ああ、分かった、分かった」というのも正しいですが、
逆に「ああ、解った、解った」という使い方は正しくないですよね。
言葉だけでは分かりづらいですが、漢字に表せばそのようになります。
「理解」という言葉の違いはそんな処にあるのではないでしょうか。
いずれにしても、理解するまでの道筋が詳しかったか、
理解した度合が深かったかの違いだと思います。
「分かる」「判る」「解る」の決定的な違いとは?
分かる・判る・解るの決定的な違いは、
「常用漢字」で使われているかどうかです。
常用漢字とは、法令・公用文書・新聞・雑誌・放送など、一般の社会生活において、
使用の目安とされている漢字のことですね。
ちなみに、学校の試験では、「分かる」以外の「判る」「解る」は間違いとされます。
*********「常用漢字表」***************
…..〔音訓〕….〔例〕
解….カイ…….解決、解禁、理解
……ゲ………解脱、解熱剤、解毒剤
……とく…….解く
……とかす…..解かす
……とける…..解ける
判….ハン…….判定、判明、裁判
……バン…….A判、大判
分….ブン…….分解、自分、水分
……フン…….分別、分銅、三十分
……ブ………一分一厘、五分
……わける…..分ける、引き分け
……わかれる…分かれる
……わかる…..分かる
……わかつ…..分かつ、分かち合う
*********「常用漢字表」***************
「判」「解」という字は、常用漢字表にありますが、
それには「わかる」という読み方は載っていませんでした。
慣用的には使いますが、通常は「分かる」と書いた方が良いでしょう。
なので、決して、「解る」や「判る」を使うことが
間違いということではありません。
まとめ
今回は、「わかる」の漢字の使い方や、
「分かる」と「判る」と「解る」の意味とそれぞれの使い分けに
ついてご紹介しました。
このように、使い方や意味が分かってくると、
今後使い分けに悩まずに済みそうなのが嬉しいですね。
少し賢くなった気分です。
これからも、使い分けの必要を感じない方は、
迷わず「分かる」を使うようにしてくださいね。
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