「分かる」「解る」「判る」はそれぞれいろいろな場所等で、良く使われている言葉ですが、正しい使い方、使い分けの方法を聞かれると悩んでしまうという方も多いのではと思います。
日本語には読み方が一緒でも、文字にした場合の漢字次第で意味や使い方がガラッと変わる言葉がたくさんあります。
「分かる」「解る」「判る」も読み方はすべて同じ「わかる」ですが、使い方によってはそれぞれの意味が違ってきます。
ここでは間違って良く使われそうな「分かる」「解る」「判る」の違いについてくわしくご紹介します。
【解 る】:複雑な過程を経て納得することで。
【判 る】:区別して定めることで。
↑このように言葉は、音だけでなく、意味も似ている漢字なので、使い分けに困った方は多いと思います。
文章や手紙を書いていると、同じ音でも漢字の違う言葉が出てきてどの漢字を使えばいいのか、迷った経験の有る方は多いですよね。
そんな時、考えたり、調べたりするのが面倒くさいので単純にひらがなを使えばいいと、いう形で済ます人もきっと多いと思います。
この記事では、
・それぞれの正しい使い方と例文を紹介!
について解説します。
文章を書いたり、読書をしたりするといろいろな言葉を書いたり、読むことが多いですよね。そんな時、言葉の使い方や違いなど、そして意味を理解していると助かりますよね。
書き物や読書などのお役に立てば嬉しいです。
「分かる」「解る」「判る」の意味と違いは?
「分かる」「解る」「判る」は読みが一緒という事もあり、同じ意味と勘違いされる時があります。現実にそれぞれの漢字の意味はよく似ていることもあり、使い分けが大変難しくなりがちです。
しかし、使い方を間違うと、言葉のニュアンスが正しく伝わらず、誤解を生む可能性があります。
ここではまず「分かる」「解る」「判る」それぞれの例を交えて意味や違いについてくわしくご紹介します。
「分かる」の意味は!?
「分かる」は、「分」はもともとと「わける」と同じ起源を持つ言葉です。
ぼやけて不明瞭だった物事や、気持ちを、「わかる」部分と「わからない部分」に分割したものです。2つにわけてはっきるさせることで物事の本質が見え、理解しやすいようになったんですね。
この「分」という漢字には様々な意味がありますが、「わかる」に関する意味と使い分けに関する言葉には次のようなものがあります↓
・おやじの言っていることがよく分かる
・事情はよく分かる
・はっきりしなかった物事や事情がよく分かるようになる
・世の中の物事に詳しい
・物分かりが非常によい
など様々な使い方があります。
「分かる」だけなので、「常用漢字表」に従って表記すれば、
「わかる」「分かる」となります。
※放送用語などでも、「分かる」を使うことになっているようです。
「分かる」という意味と違いを下記にまとめてみました。↓
「分かる」はあらゆる物事に関する事情、道理などを理解することを意味します。相手の気持ちなどを「なるほど」と理解できることも「分かる」と表現されるんですね。
「分かる」の意味は広く、後述で紹介する「解る」「判る」の意味も含まれることがあります。そのため、どれを使えばいいのかわからない場合は「分かる」と表現するのが無難な方法です。
「解る」の意味は?
「解る」という言葉には、「物事がこれだと解るように理解される。そのものの価値が理解できる」といった意味があります。
・物事の仕組み、道理が明確になり、理解できるようになる
・人の心が状況に応じて、理解できるようになる
・新鮮な問題を解き明かす
ここでいう「理解」とは、
分かるとは基本的に同じですが、例えば、人の話をいい加減に聞いて「ああ、分かった、分かった」というのも正しいですが、逆に「ああ、解った、解った」という使い方は正しくないですよね。
言葉だけでは分かりづらいですが、漢字に表せばそのようになります。「理解」という言葉の違いはそんな処にあるのではないでしょうか。
いずれにしても、理解するまでの道筋が詳しかったか、理解した度合が深かったかの違いだと思います。
「解る」という意味と違いを下記にまとめてみました。↓
「解る」は物事の持つ意味や詳しい内容、もしくは価値を理解するという意味があります。「理解」の「解」という字が使われていることからも、これらの意味はとてもわかりやすく、使いやすい表現といわれています。
その他にも問題や質疑応答などが「解る」といった言葉で使われることもあります。こちらも解答の「解」という意味であると解釈すると覚えやすいですね。
「判る」の意味は!?
「判る」には、「物事が判別され、判断しやすい」と言った意味があります。
例えば、「音楽が判る」「判る」とすることで、その音楽が「素晴らしい曲、なのかまずまずなのか」などの区別ができるまで、深く理解できる…。
その他、絵画などいろいろな場面でも使われていると思います。
ということから、「判る」には次のような意味があります。
・物事の状態が判断できる。はっきりする
・善悪の判断をする
「判る」は「分かる」と意味が似通っていますが、こちらでは、人の感情、気持ちは反映されません。また、物事が詳しいかどうかも関係なく、今まで不明だった物事がはっきりした場合に使われます。
また「判」という漢字には、
・物事をはっきりさせる。
・優劣や是非を明確にする。
などの意味があります。
物事に対して、「良いものか?悪いものか?」などをはっきりさせることなんですね。曖昧なことは止めて、全てを明らかにする意味が、「判」の中に課されているんですね。
「判る」という意味と違いを下記にまとめてみました。↓
「判る」は何かが「判明」するという意味があります。「解る」が理解することであるのに対して「判る」はこれまで明らかになっていなかったこと、知らなかったことが「判る」という形で使われます。
物事の内容などを理解するのではなく、新しい事実などが発覚、判明した場合に使います。
「分かる」「解る」の違い
「分かる」と「解る」の意味の違いはどのように違いがあるのでしょうか?「分かる」「解る」の二つを比較することでその違いがよりわかりやすくなりますよ。
「分かる」に使ってある「分」という漢字は「八という印を刀で左右に切りわける」ことを表しています。これはとてもわかりやすい表現です。
また「解る」の「解」は「刀で牛の体や角をバラバラに分解する」ことを表しています。「分」と比べると少しややこしいですね。
「分」を使う熟語としては「分別」や「分類」などがあります。
「分別」は「物事の是非を表すこと」ですが、是なのか非なのかを切りわけていますね。
「分類」は「種類別にまとめること」ですが、基準に照らし合わせて、「片方」はこちら、「もう片方」はこちらのように切りわけて整理しています。
このように「分」は混ざっているものを、あちらとこちらに切りわける、つまり「整理」するという意味を持っています。
また、「解」を使う熟語として「解釈」や「理解」などいろいろあります。
「解釈」は「物事の意味を分かりやすく(ときほぐす)して説明すること」、また「理解」とは「どういうことかを知り悟り知ること」です。「ときほぐす」「悟る」のは簡単なことではありませんよね。
のうち、「どの漢字を使えばいいのか分からない」と迷った時は、悩まずに「分かる」を使うようにしてください。幅広く良く使われる言葉なので迷うことのないように注意してください。
現在は一般的に「分かる」を使っていれば全く問題ありません。
「分かる」「解る」例文を紹介
このような違いが「分かる」「解る」の例文で比べてみましょう。
「分かる」「解る」「判る」の決定的な違いとは?
分かる・判る・解るの決定的な違いがあります。それは「常用漢字」で使われているかどうかです。
常用漢字とは、法令・公用文書・新聞・雑誌・放送など、一般の社会生活において、使用の目安とされている漢字のことですね。
ちなみに、学校の試験では、「分かる」以外の「判る」「解る」は間違いとされます。
常用漢字表
「分かる」「解る」「判る」それぞれの常用漢字を下記に拾い出してみました。
分の漢字
〇〇ブン…….分解、自分、水分
〇〇フン…….分別、分銅、三十分
〇〇ブ………一分一厘、五分
〇〇わける…..分ける、引き分け
〇〇わかれる…分かれる
〇〇わかる…..分かる
〇〇わかつ…..分かつ、分かち合う
解の漢字
〇〇カイ..…….解決・解禁・理解
〇〇ゲ.……….解脱・解熱剤・解毒剤
〇〇とく.…….解く
〇〇とかす…..解かす
〇〇とける…..解ける
判の漢字
〇〇ハン…….判定・判明・裁判
〇〇バン…….A判・大判
「解」「判」という字は、常用漢字表にありますが、それには「わかる」という読み方は載っていませんでした。
慣用的には使いますが、通常は「分かる」と書いた方が良いでしょう。なので、決して、「解る」や「判る」を使うことが間違いということではありません。
まとめ
今回は、「わかる」の漢字の使い方や、「分かる」と「判る」と「解る」の意味と、
それぞれの使い分けについてご紹介しました。
このように、使い方や意味が分かってくると、今後使い分けに悩まずに済みそうなのが嬉しいですね。
少し賢くなった気分です。これからも、使い分けの必要を感じない方は、迷わず「分かる」を使うようにしてくださいね。
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