毎年、8月の半ば頃になると、お盆の帰省ラッシュで陸路・空路・そして新幹線と、
日本列島どこもかしこも人、人、人の波、交通網は大混雑します。
また、各地で行われる様々なお盆の行事など、日本には古くから祖先の霊を供養する
「お盆」という習慣があります。
お盆という風習があることは知っているが、実際、お盆とは何なのか?
意味や由来など、そしてお盆の期間はいつからいつまでなのでしょうか?
そしてお盆は何をするのか?など意外と知らないのではないでしょうか?
ここでは「お盆の意味や由来や期間はいつからいつまでなのか?」
そして「男の子の髪型&行事は何をするのか?」などお伝えします。
お盆の意味は?
お盆はご先祖様の精霊を供養し、その冥福をお祈りする行事、
または、その行事を行う期間として、「お盆」といいます。
この期間は、亡くなったご先祖様が浄土(天国)から、地上に戻ってくると言われています。
お盆の正式な呼び名は、 「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と読みます。
これはサンスクリット語の「ウラバンナ」の音訳です。
日本に昔から伝わる信仰で「死者の霊があの世から戻ってきてまたあの世へ帰ってゆく」
この両方が結びついて現在に伝わったとされています。
現代では、一般的に、
「お盆とは、年に一度祖先の霊が私たちのもとに帰ってくる期間」とされています。
迎え火を焚いて祖先が迷わず当家に来られるようにしてお迎えし、戻ってきた祖先の霊の供養をします。
やがてお盆の期間が過ぎると送り火を焚いてお送りします。
この風習がお盆の風習として定着しています。
そういった意味合いのあるお盆ですが、
日本では地域によってお盆の時期が違うのをごぞんじでしょうか。
ここでは、関西、関東諸説ありますので、大まかに2つの説で説明します。
お盆の期間・関東と関西の違い? 其の1
関東とくに南関東、地方では、7月に。
関西は8月にお盆をする事が多いですね。
前述通り、お盆の日は、関東と関西では期間によって違いがあります。
関西は8月、関東では7月にお盆をするようです。
なぜ、このような違いがあるのでしょうか?
それには理由があったようです。
関東は地方から出てきた人が多いので、
人が集まりやすいということで、7月になった説。
逆に関西では、7月15日では梅雨の時期なので、
雨が降ると五山の送り火も焚けないし、盆踊りもできない説など。
前述の理由から8月15日を盆としたという説が広まっています。
お盆の期間・関東と関西の違いは。その2
関東や都市部では7月盆、関西や地方では8月盆を行います。
理由のひとつに、明治時代に旧暦から新暦に切り替わったことがきっかけという説があります。
そもそも、明治5年(1872年)に新暦が導入されるまで、
お盆といえば旧暦の7月15日(旧暦盆)でした。
このようにお盆の期間は関東と関西の違いについて、諸説いろいろあるので、
どちらが正しいの良くわかりませんが、住む場所で違いがあるということが理解できました。
お盆の由来は?
お盆の正式名称は、盂蘭盆会(うらぼんえ)または盂蘭盆(うらぼん)といいます。
日本人でこの呼び名を知っている人は少ないのではと思われる名前ですよね。
「盂蘭盆会(うらぼんえ)」は、「盂蘭盆経(うらぼんきょう)」
というお経が由来であるとされています。
「うらぼん」は日本語では聞きなれない言葉ですが、
サンスクリット語で「逆さ吊りの苦しみ」を意味する「ウラバンナ」からきているそうです。
また、ペルシャ語で霊魂を意味する「ウラヴァン」が由来だという説もあります。
このお経が日本に伝わり、旧暦の7月15日に、先祖の恩に感謝して、
お墓参りや迎え火などのお盆の行事が行われ始めたといわれています。
盆とは文字どおり、供物を置くための容器を意味する言葉でそす。
お供物を供え祀られる精霊の呼称となって、
盂蘭盆と混同されて合わさったものとも言われています。
現在も精霊を「ぼんさま」と呼ぶ地域があります。
やっぱり難しすぎて理解するのに苦労しますよね”(-“”-)”
お盆の歴史は
お盆が日本全土に広まったのは江戸時代です!
しかい、お盆の習慣が日本全体に定着したのはいつ頃から何でしょうか?
日本で始めてお盆の行事が行われたのは、606年に推古天皇が催した、
「推古天皇十四年七月十五日斎会」だと言われています。
そしてそのまま、お盆の習慣は僧侶、貴族や武士の間で取り行われるようになっていきました。
そして、江戸時代になるとお盆の風習が庶民の間にも広がっていきます。
その理由は「ロウソクの普及」にあるといわれています。
お盆といえば、仏壇や提灯のイメージしかないのは私だけですかね(笑)
また、それとは別に、七夕をはじめ、京都の五山の送り火や、
長崎の精霊流しなどもお盆の行事にあたります。
お供え物についても、地域によっていろいろと特色があります。
関西では、キュウリやナスなどの野菜を飾ってご先祖様をお迎えする習慣があります。
ただ、宗派は違うけれど、お盆にはご先祖の霊を供養するという考えは同じなんですね。
お盆は、私たちも先祖の霊を迎えて、ゆっくり供養してあげたいですね!
お盆の期間はいつからいつまで?
お盆は、いつからいつまでがお盆の期間なのでしょう?
また、お盆の期間は日本全国どこでも同じでしょうか?
お盆の風習は日本全国どこも同じようですがお盆の期間は、地域によって異なるようです。
ここでは、お盆の時期について、関東・関西の違いをご説明していきます。
まず、関東のお盆の期間は、
この日程でお盆をするところが多いです。
かたや、関西地方のお盆の期間は、
この日程でお盆をするところが多いです。
関東と関西の期間の違いは、
関東では、「新暦」
関西では、「旧暦」
でお盆を行う時期を定めているようですね。
正式には、お盆は旧暦の7月13日が盆の入り、
7月16日が送り火となっていますが、
新暦では8月13日~16日となっています。
また、北海道のように明治以降入植者で発展した地区は町々でばらばらのようです。
東日本では、東京を中心とした南関東が7月のお盆が多く、地方は8月という方が多いですね。
なぜ、地方によってお盆の時期が異なるのか?
その理由は様々ですが、原因の一つに、明治になって旧暦から新暦に変わったときに、
地区毎に対応が分かれたのが原因だと言われています。
また、東京とその周辺では地方から人が集まった土地だけに、
「人が集まりやすい時期を選んだ」説が有力となっています。
その他、地方によって「農繁期・農閑期」の関係の説も聞きます。
関西が、「月遅れにした理由は7月は梅雨明け前で、雨が降ると送り火も焚けないし、
盆踊りも出来ない、月遅れの8月なら盆の行事も滞りなく出来る」と、
まことしやかにこの説が流れています。
さすが、関西・・・現実的な発想ですよね!個人的には、夏の風物詩としては、
【お盆は・・・8月13日~16日=盆休み】と思っているので、
やっぱり8月が有力じゃないんでしょうか?
特に関東地方にお住まいの人は、「7月が地元のお盆で8月は故郷のお盆」と使い分けています。
お盆の行事は何をするの?
お盆の期間は、新暦では、7月13~16日
旧暦では8月13~16日と、いずれも4日間あります。
お盆は、期間と行事として下記の内容で行われます。
12日:盆棚を作る
※地方によっては、この日前後に、僧侶が家に来て法要をしてくれます。(時間的には、約5分位)
※特に新盆・初盆には大事な法要になります。
13日:迎え火
【盆の入り・お盆の入り・盆入り・迎え盆】
夕刻に先祖を案内する迎え火(むかえび)を焚き家に迎えます。
その後に精霊棚の故人へ食べ物、お花などお供え物をします。
(素麺やお団子、キュウリの馬にナスの牛、ほうずきなど)
土地によっては家紋入りの提灯(ちょうちん)で先祖を案内します。
地方によっては、お墓まで先祖の霊を迎えにいくのが習慣になっているところがあります。(私の地方では、まさしくその習慣ですね)
14日~15日
※ご先祖さまの霊が戻られている期間は、
お灯明を絶やさない、お水や食べ物のお供えは毎日交換します。
16日:送り火
【盆の明け・盆明け・送り盆】
16日の野火は送り火(おくりび)は先祖の魂を墓へと送るのが目的です。
そして、一年後の再開に気持ちを込めてお見送り、玄関は開けておきます。
送り火は、京都の五山送り火が有名ですが、
15日に送り火を行うところも多く見られます。
上記の他、お盆には地方によってさまざまな風習があります。
例えば、「精霊流し」を行なう地域や「灯篭流し」を行なう地域もあります。
灯篭(とうろう)流し
お盆の最後の行事として、行われるのが「灯篭流し」ですね。
地域によっては、川へ送る風習もあり灯籠流しが行われます。
山や川へ送る灯篭は、故人がいるとされるのが文化的に山や川であるとされているためです。
灯篭流しは、ろうそくの仄(ほの)かな灯りから、
日本人がどこか望郷の念にかられる風習でもあります。
お盆の期間の風習は、地方によっては様々ですが、
私の生まれ育った地方では、前述の風習に加えて、
13日~16日の4日間、
先祖を敬うために、夕方から約1時間ほど、御詠歌を詠み続けます。
最近は終わる頃には足がしびれて大変です( ;∀;)
※お盆の行事は、祖父母や両親のすることを見て、やり方を覚えてきましたが、
核家族の現代では仏壇が家にない家庭も多く、分からないことが多いと思います。
まとめ
最近のお盆は、本来家族が集い先祖を敬う風習よりも、
お祭りや長期休暇の意味合いが強くなり、家族が集う風習が薄れたり、
先祖を迎える儀式が省かれたりすることも多くなりました。
でも、迎え火や送り火を焚き、灯篭を流すなど、
代々伝わる風習とその風情を見直して楽しむのもまたいいものですね。
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